PAGE
TOP

キモノ工芸辞典<お>

<小千谷縮>
麻の繊維である苧麻(ちょま)から織られた麻織物。
緯糸(よこいと)に強い撚り(より)をかけ織り上げた後に、湯もみを行い独特のシボ(しわ)を出しています。麻は水分を発散し、乾燥しやすい素材なので汗ばむ夏に最適の素材です。そして、シボの要素が加わることによって、さらっとした肌触りとなり高温多湿の日本の夏にピッタリの着物となります。

<大島紬>
鹿児島県奄美群島の伝統工芸品としてつくられる絹織物。
手紡ぎの絹糸を泥染めしたものを平織で手織りした着物で、フランスのゴブラン織、イランのペルシャ絨毯と並び、世界三大織物の1つ。
世界で類を見ない緻密で精巧な絣模様は、大島紬独自の『締機(しめばた)』を使った絣糸によって表現しています。
50を超える作業工程を経て織られた大島紬はしなやかで軽く、着物の女王といわれています。

<御召(おめし)>
縮緬の一種で、先染めの糸を用いた平織りの織物。江戸幕府第11代将軍・徳川家斉が好んだところから「御召」と呼ばれるようになります。
水をかけながら強い撚りをかけた「八丁撚り」という糸を経糸に用い、緯糸には一般の縮緬よりも撚りの強い「御召緯」(おめしぬき)という糸を使うことによって、一般的な縮緬よりも大きく、はっきりしたシボを持つのが特徴です。
コシが強くハリがあるため、着崩れしにくく裾さばきがよいです。
先染の織物である御召ですが、織物の中で一、二を争う格を持ち、お洒落着だけでなく略礼装としても着ることができます。

<近江上布>
滋賀県湖東地域の愛知郡周辺で作られている織物です。
経糸に苧麻、緯糸に手績みの大麻糸を用いて平織りで織られた麻織物。
通気性と吸湿性に富み、吸水性にも優れ、使うほどに味わいが出てくる。
「経糸絣(たていとがすり)」、「緯糸絣(よこいとがすり)」、「経緯併用絣」で絣模様を表したものや、漂泊していない麻そのままの風合いをもった生平(きびら)があります。

<置賜紬(おいたまつむぎ)>
米沢市、長井市、白鷹町を中心に生産されている米沢紬、長井紬、白鷹御召などの織物の総称で、山形県の置賜地方で作られている絹織物。
 江戸中期、米沢藩主の上杉鷹山が養蚕や織物を奨励したことにより、この地域に絹織物が発展し絹織物の一大産地となりました。各地方で特徴が変わる置賜紬ですが、
いずれもが生糸、玉糸、真綿糸を用いた先染めで平織の絹織物です。高機の手織りや力織機で織られます。