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【徳島県・大塚国際美術館】ここにしかない展示と圧倒的スケール感!後編

(写真提供:大塚国際美術館)

日本再発見の旅。〜「着物を着て芸術に触れよう!」大塚国際美術館・後編〜

名画を間近で鑑賞でき、作品と一緒に写真撮影もできる世界でここだけの展示をしている<大塚国際美術館>。
それを可能にしたのは「陶板」を作る素晴らしい技術ができたからでした。
後編では<大塚国際美術館>の誕生までのお話と、サブタイトルになぞらえ着物にゆかりのある作品を含め、魅力をたっぷりとご紹介していきたいと思います!

〜圧倒的スケール感!大塚国際美術館・前編〜はこちら
https://www.kimono-plus.com/columns/585/lang/ja-JP/8

【目次】
1.徳島県・鳴門市に美術館を建てた理由。
2.「最後の晩餐」の修復前後を同時に見比べてみよう!
3.「着物」や「和」にゆかりのある作品たち。
4.オリジナル商品・お土産を買って帰ろう!
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1.徳島県・鳴門市に美術館を建てた理由。

大塚グループといえば薬や食品など様々な製品開発・生産を行なっている会社ですが、なぜ美術館を建てたのでしょうか。

それは「地元で大きくなった企業なのでいつか恩返しをしたい」と考えていた<大塚国際美術館>初代館長である「大塚正士(まさひと)」氏の熱い想いからだったんです!

当時コンクリートの原料として安価で取引されていた鳴門海峡の砂を使って開発し、「ひび割れたり歪むことのない1メートル角の大きな陶板」を作る技術ができました。
これは当時 世界に類を見ない素晴らしい技術だったそうです。
その後オイルショックで建材としての需要がなくなっていたところ、この陶板を何かに利用できないかと考え、美術作品を再現することを思いついたそうです。
そして美術館を作り、作品を展示することで徳島の教育や観光の誘致になるのではないか。
地元への恩返しを考えていた大塚正士氏は徳島県・鳴門市に大塚グループ創立75周年記念事業として1998年に開館しました。
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2.「最後の晩餐」の修復前後を同時に見比べてみよう!

まずはレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」です。
こちらは縦約4メートル・横約9メートルとかなりの大きさですが、もちろん原画と同じサイズで展示されています。

レオナルドが存命中の頃から傷み始めていたこの作品は、16〜19世紀にかけて大規模な修復は5回記録されています。

このように向かい合うように展示されているので修復の前と後をじっくりと見比べてみてください!
修復前には分かりづらいイエス・キリストの口元ですが、修復後には開いている、など新たな発見が確認できますよ。

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3.「着物」や「和」にゆかりのある作品たち。

「キモノプラス」というこのメディア。
<大塚国際美術館>学芸部の方に「着物」にまつわるエピソードのある作品があるのかお伺いしたところ、これらの作品を教えていただきました!

◆1つ目はこちら。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」

「青いターバンの少女」とも呼ばれているこちらの作品は、オランダのマウリッツハイス美術館に所蔵されています。

よく青いターバンや真珠のイヤリングにスポットが当てられ話題になっていますが、衣装についてはどうでしょうか?
上半身しか描かれていませんが、これは「着物を羽織っている」という説があるそうです。
海洋貿易による黄金時代を迎えたオランダには世界中の様々な文化がもたらされました。
そう言われてみると…着物にしか見えません!

この少女は「トローニー」だと言われています。
トローニーとはオランダ語で「頭部の習作」を意味します。
誰とは特定されない人物の胸から上を描いた作品ですが、じっくりと眺め、自分の中でモデルを想像し楽しむのが醍醐味ではないでしょうか。

◆そして2つ目。
モネの「ラ・ジャポネーズ」
鮮やかな赤が目を惹きますね!

印象派の巨匠 モネは、とても日本が好きで浮世絵のコレクターとしても有名です。
このモデルは妻であるカミーユです。
この絵が描かれた当時、厳しい生活を送っていたモネが豪華な着物を持っていたとは考えられず浮世絵を見本に描いたのでは?と言われています。

パッと見た感じ日本の物ばかり描かれているように見えますが、カミーユが持っている扇子はフランス国旗の青白赤のトリコロールカラーになっていてフランスと日本の融合を感じます。
後ろの壁に飾られているうちわの絵柄にも注目してみてください。
モデルの背中側に魚とエビが描かれているものがありますが「海老で鯛を釣る」ということわざを表現しているのではないか、と言われているそうです。
他のうちわもよく見ると面白いので注目して観てください!

◆そして最後はこちら。
ホイッスラーの「青と金のノクターン:オールド・バタシー・ブリッジ」

こちらは浮世絵つながりでご紹介。
ロンドンのテムズ川に架かるバタシー橋を描いたものですが、構図は歌川広重の浮世絵の影響を受けているらしく、どこか日本の懐かしい風景にも見えませんか。

全体的に青を基調とした中にポイントの金色。
これは近くの遊園地から打ち上げられた花火だそうです。

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4.オリジナル商品・お土産を買って帰ろう!

<大塚国際美術館>に来た記念にお土産を買って帰りませんか?♪
B3フロアにある「ミュージアムショップ」で購入できますよ。
今回は人気のオリジナル商品をご紹介したいと思います。

まずはこちら。
「ミニ陶板(金色額付)全59種類」各3,300円です!

こちら額に入った状態で販売されているのですぐに飾ることができます。
額を乗せている「イーゼル」(1,540円)も一緒に購入するといいですね!
たくさんの絵柄があるのでお好みの「ミニ陶板」を購入してみてはいかがでしょうか。

次は文房具とタオルハンカチのご紹介。

まずは左上のペンから。
こちら「クリックゴールドボールペン(全5種類)」各385円です。
「叫び」や「真珠の耳飾りの少女」などそれぞれイラストが違い、どれも可愛いボールペンです。
友達とお揃いにしてもいいですね!

その下もボールペンですがイラストが違います。
「オプトボールペン(全3種類)」各440円。
上が「最後の晩餐」、下は「ヴィーナスの誕生」に描かれているバラの柄です。

そして下にある3点。
両端は「名画ふせん」各440円。
「最後の晩餐」と「叫び」のふせんですが、ポップなイラストが可愛くちょっとしたメッセージを書くのに使うと喜ばれそうです。
真ん中は「ブロックメモ(ヴィーナス)」440円です。
こちらのメモは春夏秋冬をテーマに4絵柄のオリジナルのイラストが描かれています。
各季節を楽しむ見たことのない可愛いヴィーナスを是非チェックしてみてください!

右側にあるのは「ヒマワリタオルハンカチ(全2種類)」各1,050円です。
「ヒマワリ」が刺繍されており、吸水性の良い今治産タオルです。

最後は上部真ん中の「ヒマワリピンバッジ(全7種類)」各770円です。
ゴッホの花瓶の「ヒマワリ」が7点全て同時に見られる<大塚国際美術館>ならではの商品ではないでしょうか。
お土産というよりは自分用に7つ全てコンプリートしたくなりますね。

たくさんある商品の中から少しだけご紹介しましたが、他にも図録やポストカード・お菓子などもあるので気になる商品を探してみてください!
通販もできるので気になる商品はお取り寄せしてみてはいかがでしょうか。
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<大塚国際美術館>の魅力を2週に渡りご紹介しましたがいかがでしたか?
額縁は基本的に原画に合わせて再現されていて「額縁の博物館」として楽しんでいる方もいらっしゃるそうです。
壁紙もエリアによって変えられていたりと非日常の空間が楽しめます。
こちらの美術館は作品に詳しい方も初心者の方も、それぞれのペースで楽しめる「アートのテーマパーク」です!

京阪神からは1日19往復も直通高速バスが出ています。
西日本JRバス・徳島バスより「直通バス往復乗車券」と「美術館入館券」がセットで販売されており,大人は通常より500円お得だそうです♪
乗車日を含め有効期限3日間と日数に余裕もあるので、ぜひ日帰り・宿泊旅行に利用してみてください!

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大塚国際美術館
●住所:徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
●電話:088-687-3737
●時間:9時30分〜17時00分
●休み:月曜日(祝日の場合は翌日)
1月は連続休館あり・その他特別休館あり・8月無休
●料金:一般 3.300円
大学生 2.200円
小中高生 550円
●HP:https://www.o-museum.or.jp/

※ご来館の際は必ずホームページの《開館カレンダー》《安心・安全のための取り組み》をご一読ください。

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※いずれも消費税込み
※データは2021年7月時点での情報です。
最新の情報は各施設にお問い合わせください。

撮影:岩嵜一真
取材・文:キモノプラス編集部