文様図鑑 vol.15 桐(きり)
美しい自然を切り取った文様に、幸せを願う吉祥紋、時にはダジャレを効かせた洒落紋など、着物には数え切れないほどたくさんの文様を見つけることができます。
デザイン性の高さはもちろんのこと、その文様に込められた意味を知ると着物はもっと面白くなるはず!「文様図鑑」では毎回、着物や帯から素敵な文様を紹介します。
今回は日本政府の紋章(五七の桐)にもなっている「桐」です。

※写真は帯の一部
5月頃に花をつける桐は、中国では鳳凰が住む木として尊ばれています。日本でも桐は格調高い文様です。代表的な吉祥文様であり、家紋にも持ちいらており、
一番代表的な「五七の桐」は現在、日本国の政府機関を象徴する紋章として使用されており豊臣政権の象徴としても有名です。

五七の桐

※写真は色無地の一部
桐竹鳳凰文は天皇の御袍(ごほう)に折り表される高貴な文様です。鳳凰は中国の伝説上の鳥で、聖帝が世に出現する時だけ、祝いに姿を現すと伝えられています。桐の木に住み、竹の実を食べるといわれ、この3つが組み合わされた文様です。竹の花が咲くのは不吉な前兆とも言われており、それを食べる鳳凰は縁起が良いと言われ、桐と竹と鳳凰の組み合わせは縁起の良いデザインと言われています。