『銘仙夢織』第二章

第二章 志乃の記憶 カタン。シャーン。カタン。 機(はた)の音が、朝の空気に深く沈み込んでいた。 経糸の向こう、かすかに滲む柄が、少しずつ立ち上がってくる。 今日織っているのは、赤地に白のぼかしが入った銘仙。 細かい絣模 … 続きを読む 『銘仙夢織』第二章