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[着物本レビュー] 歴史を知ると、もっと着物が面白い

お着物ライフを過ごしていると、「昔の人はどんな風に着物を着ていたのだろう?」「何で着物を着なくなったんだろう?」など、疑問に思うことがあります。

直近100年くらいの歴史を振り返ってみても、新しい発見があり、着物をはじめ日本の衣類がより面白く感じられます。

国際社会に向けて動き出した明治時代、洋裁の技術が入ってきたことで、和装にも変化がありました。女学生が袴をはいたり、女性が羽織を着始めたのもこの時期です。
和と洋が融合した和洋折衷の時代を経て、洋服が日本人に定着すると、三宅一生や川久保玲などの日本人デザイナーが世界でも注目されるまでに発展し、洋服に日本の文化や技術を取り入れ進化させた新しいデザインを、世界に発信しています。

今回は、こういった日本の衣類が大きく変化した時代の移り変わりがわかる本をご紹介します。気になるものがあったら、ぜひ読んでみてください。

【ビジュアル 日本の服装の歴史③ 明治時代〜現代】 難波知子 著 (ゆまに書房)児童書ですが、文章も優しく写真や資料が多めで、教科書のように、歴史の流れがバランスよく書かれ、とても理解しやすい内容の本です。
シリーズになっており、「①原始時代〜平安時代」「②鎌倉時代〜江戸時代」もありますので、三冊まとめて読むと、さらに面白いです。

【日本の生活100年の記録⑦ 文化と流行の100年】 佐藤能丸・滝澤民夫 監修 (ポプラ社)こちらも児童書で読みやすい本です。

服装の歴史だけでなく、髪型・化粧・アクセサリー・履物など、それぞれのテーマごとに100年の歴史がまとめられています。
ページをめくり、高校時代に履いていた「ルーズソックス」が、歴史の本に載っているのには、ちょっと複雑な気分になります(笑)。

【洋裁の時代 日本人の衣類革命】 小泉和子 著 (OM出版)通常の歴史書には載っていない情報が書かれています。

洋裁の技術を取り入れ「日本人を美しくする服を作りたい」と、試行錯誤していた当時の方々の様子を知りました。
そのおかげで、和装コートなどにも新しいデザインや素材が増えたり、和服文化が発展してきたことを興味深く感じました。
お洒落着だけでなく、下着や野良着の洋装化の歴史も知ることができ、とても面白い本です。