【三変化!】ロマンチックなおさがりきものコーディネート
おさがりできものを頂くと、裏地があざやかな赤のレトロなきものに出会うことがあります。
紅絹(もみ)と呼ばれる紅で染めた絹布で、昭和頃までに作られたきものの裏地に多く見られます。紅絹はアンティークな雰囲気があってとても美しい素材ですが、現代的なコーディネートをしようとすると少しちぐはぐな印象になってしまうことも…。
今回は、そんな紅絹のついたレトロなおさがりきもので、物語性のあるきものコーディネートを考えてみました。一つ目は、塩瀬の名古屋帯を使ったコーディネートです。
きもののくすんだ色味を活かして、オフホワイトの帯やグレーがかった小物を選び、儚げな雰囲気を演出。
こちらの帯は、花や動物やお城などの模様が描かれており、メルヘンな印象も与えます。
帯締めの紺色でキリッと引き締め、帯留めの螺鈿でツヤを足すことで、全体のくすみ感をより引き立たせています。二つ目のコーディネートは、帯留がポイント。
ツバメと薔薇が描かれた絵本モチーフの帯留(実はブローチ)で、シンプルなきものと帯に物語の要素を付け加えます。
花柄レースの半幅帯とグリーン系の小物を組み合わせて、花畑の上を一匹のツバメが飛んでいく様子をイメージ。
きもののシンプルな模様もあいまって、どことなく洋風でクラシカルな雰囲気に仕上がりました。三つ目は、遊び心のあるエスニックコーディネート。
ミミズクヤさんのカレー帯をあわせることで、幾何学柄のきものがまるで東南アジアの織物のように見えます。
白い半襟とレースの帯揚げは、テーブルクロスか紙ナプキンのイメージ。
紅絹の色とあわせた赤い帯締めに、ちょこんとスプーンのブローチをのせました。
裏地の色にあわせた小物を選ぶと、着姿全体に統一感が生まれるのでおすすめです。
「大正浪漫」とまではいかなくても、ちょっと時代を感じさせるようなおさがりのきものは、そのレトロさを活かしたコーディネートがおすすめです。
特にシンプルな柄や地味な色のきものは、帯や帯留で物語性を足すとより輝きを増します。
古めかしさは歴史ある雰囲気に、紅絹の唐突なあざやかさは効果的な差し色になります。
箪笥の奥に眠っているおさがりきもので、ロマンチックなレトロコーディネートに挑戦してみませんか?