キモノ+伝統工芸 第3弾『ひいな』
キモノにプラスして着物を楽しむ
キモノプラス連載企画。
今回キモノにプラスするのは・・・
『伝統工芸』です!
その第3弾としてご紹介するのは、〈NARADOLL HIGASHIDA〉さんが手掛ける、'ひいな'。

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①「ひいな」とは?
'ひいな'とは、ひな祭りに飾るひな人形のこと。
その語源は、平安時代の「ひいな遊び」だと言われています。
当時、貴族の女の子たちの間では、紙で作った人形をおままごとのようにして遊ぶ「ひいなあそび」が流行しました。
その後、時代が進むにつれてひいな遊びの人形は美しく立派なものへと進化。
「飾って楽しむもの」になりました。

そして現在では、ひな人形は子どもたちの代わりに病気や事故から守ってくれるものとされており、3月3日の桃の節句に女の子の健やかな成長を祈って、ひな人形を飾るようになりました。
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②『奈良一刀彫』
NARADOLL HIGASHIDAさんは、そんなひいなを『奈良一刀彫』と言われる伝統技術で製作しています。
一刀一刀魂を込めて彫り上げる事からその名前が付いた奈良一刀彫。
その芸術性は全国的にも高く評価されています。


多種多様なノミを使い分け、様々な掘り方で進めていきます。
その間に切れ味が鈍くなったノミは何度も研ぎを入れます。
ノミ跡を残す技法の奈良一刀彫は、その切れ味を魅せる事自体が表現方法。
その表現により、「角張っているのに柔らかい」そんな特徴の人形ができあがります。
ここからは、そんなNARADOLL HIGASHIDAさんが生み出す作品をご紹介!
・ひいな


・かざりひいな


・ひいなあそび

・段雛


伝統的な技術、受け継がれる想いを大切に。
それでいて、どんな場所にもフィットする現代的なデザイン。
'「伝統」と「現代」を繋ぐ'
これが、NARADOLL HIGASHIDAさんの生み出す作品です。
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③いまと、これから。
NARADOLL HIGASHIDAさんが目指す姿は、「身近な工芸」。
例えばこちらの『雪ん子だるま』という作品。

『奈良一刀彫を現代により馴染むかたちで届けたい』
という想いから誕生しました。
製作されたのは、NARADOLL HIGASHIDAの女性スタッフの方々。
思わず「かわいい!」と言ってしまう、その愛くるしい姿がチャームポイントですが、こう見えて奈良一刀彫の技法が随所に盛り込まれているんです!

まさに、「身近な工芸」。
『かわいい』
『すごい』
そう感じたその先に、「工芸への興味」の入り口に繋がれば
そんな想いで日々創作活動をされています。

(作品:かぶと)
「伝統工芸」というバトンを次につなげる為に
『何を守り』、『何を変える』必要があるのか。
NARADOLL HIGASHIDAさんの答えは、
『魅力』を守り、『伝え方』を変えること。
その時代にあった親しみ方で。
様々な角度でのアプローチで。
『身近な工芸』は、NARADOLL HIGASHIDAさんが愛され続けている理由の1つでもあるんです。
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『子を想う心、大切な人を想う心』
この先も途切れることのないこの想いを
「桃の節句」「端午の節句」に込めて。
これからも
NARADOLL HIGASHIDAさんの挑戦は続きます。

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キモノ+伝統工芸 第3弾の『ひいな』
いかがだったでしょうか。
第4弾もおたのしみに!
【NARADOLL HIGASHIDA】

●住所:奈良県天理市遠田町600−1
●TEL:0743-21-2470
●HP:https://naradoll.com/
写真提供:NARADOLL HIGASHIDA
編集・文:キモノプラス編集部
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