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キモノ+小説 第2回『花は散っても』

キモノにプラスして着物を楽しむキモノプラス連載企画
今回のテーマは『キモノ+小説』です。

着物や帯が、物語の中に登場するのってワクワクしますよね!
着るのとは一味違うキモノの楽しみ方ができます!

第2回にご紹介する作品は小説家、エッセイストの坂井希久子さん作の『花は散っても』(中央公論新社)です。

https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/01/005379.html

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内容・あらすじ
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土蔵の奥に仕舞い込まれていた時代箪笥、銘仙、
そして、謎の写真と3冊のノート――

母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た磯貝美佐、39歳。東京の下町・谷中で、アンティーク着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。ある日、実家の蔵を整理していると、箪笥に大切に仕舞われた、祖母・咲子のものにしては小さすぎる着物・銘仙を見つける。そして、謎の3冊のノートと、見たことのない美少女が写った写真も……。
この少女はどこの誰で、祖母とはどのような関係だったのか? 銘仙の由来と共に興味を持った美佐は、謎を解く鍵を探してノートを読み始める。

自分の好きなようには生きられなかった祖母の生と、好きに選べるはずなのに息苦しい現代に生きる主人公の生が共鳴する、新時代の大河小説。

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銘仙のきもの
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作品中のキーアイテムとして登場する「銘仙」。
大正から昭和初期にかけて女学生の間で大流行した銘仙は、
伝統的な和柄をベースに、アール・ヌーヴォーやアール・デコといったヨーロッパ発のデザインに刺激を受け進化していった、現代でも色褪せることのない斬新でモダンなデザインが魅力です。

銘仙についてもっと知りたい方はコチラ!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
【栃木県・足利織物伝承館】足利市と足利銘仙の歴史を学ぶ。
https://www.kimonoplus.com/columns/919/lang/ja-JP/19

【埼玉県・ちちぶ銘仙館】アンティーク着物で大人気!秩父銘仙とは?
https://www.kimonoplus.com/columns/863/lang/ja-JP/19

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着物の普遍的な魅力
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主人公の美佐が生きる今と、祖母の咲子が生きた過去。
祖母の箪笥から出てきた銘仙が2人の時代を結び、知ることのなかった美佐にまつわる因果と、美しく儚い少女たちの美しくも葛藤に満ちた人生を記した『花は散っても』。

大正・昭和の少女たちの秘めた思いが投影された銘仙の魅力と、いつの時代も変わることのない着物の美しさへの憧れが伝わる作品です!

作者の坂井希久子さん自身も着物愛好家として知られ、作中ところどころに着物の着こなしや柄合わせの一節が散りばめられており、読み応えのある作品となっています!

■『花は散っても』(中央公論新社)
https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/01/005379.html

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キモノ+小説第1段『大原御幸』
https://www.kimonoplus.com/columns/971/lang/ja-JP/22