アクティブなおでかけもあきらめない!着物でもっと特別な1日に

“着物でおでかけ”となると、行き先は食事や観劇、美術鑑賞といった落ち着いた場所ばかりという方も多いのでは?
それだけじゃもったいない!ということで、今回は遊園地やテーマパークなどのおでかけにぴったりな「アクティブなおでかけスタイル」をご紹介します。
遊園地ファッションで大切にしたいことは二つ。1日中歩いたり、座ったり、階段を上り下りしたりするから、まずは「動きやすい」こと。そして、遊園地へのおでかけは、いくつになってもワクワクする特別な1日。だから、とびきり「オシャレを楽しむ」こと。
ポイントをしっかり押さえて着物でも思いっきりアクティブな休日を楽しんじゃいましょう。
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1日中たっぷり遊んでも崩れ知らず!
着ていて疲れない楽ちんコーデ
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アトラクションで水に濡れることもある遊園地は、“汚れても気にならない”ことが大きなポイント。水や汚れに強い「ウールの着物」なら、もし汚れても自宅で簡単にお手入れできるから安心。シワにもなりにくいので、アクティブなおでかけにうってつけです。
今回は、1960年代後半のウールの着物を主役にしたコーデ。しっかりと着物の形をキープしながらも、和柄を使っていないのでどこかワンピースのようなスタイルに。バタフライ結びにしたスカラップレースの帯揚げでさらに洋服の雰囲気をさらにプラス。
長襦袢ではなくタートルネックを使ったラフなコーデは、防寒対策になるだけでなく、着崩れしにくいというメリットも。あえて補正はせずに着物を普段着として着ていた頃のような体のラインに沿う着付けにして、動きやすく楽ちんなスタイルに仕上げました。

着ていて疲れないというのもアクティブなおでかけで重視したい点。帯は、軽やかな着心地で動きやすい半幅帯がイチオシ。そして、遊園地では帯の結び方にも気をつけて。
背もたれにぴったりと背をつけたり、深く座ったりする必要のあるアトラクションも多く、立体的な帯結びだと乗車NGになることもあり着崩れの原因にも。
そこで今回は、ぺったんこなカルタ結びに帯締め代わりのベルトをプラスして、フラットに結んだ帯をしっかり固定。崩れ知らずだから、1日帯を気にせずに楽しめちゃいます。
また、インナーにタートルを合わせる場合も、衣紋抜きはこぶし1個分をきちんとあけることも着付けのポイント。艶っぽいラインが出るので、しなやかな後ろ姿美人になれますよ。

とにかく歩く遊園地の休日では、歩きやすくて動きやすいことがマスト。スニーカーやブーツなど、普段履き慣れた疲れにくい靴を合わせましょう。
着物は着丈を短くすることで、ぐんと足さばきがよくなります。今回はインナーにプリーツの裾除けを組み合わせて、着物は浴衣よりも短い着丈に。大股で歩いたり、走ったりもできちゃうくらい、足もとの自由度が高く動きやすい着付けにしました。
カジュアルコーデでも、足首周りの肌が見えてしまうとちょっと格好悪いのでご注意を。足袋の長さとほぼ同じくらいのハイカットスニーカーは、裾まわりがバランス良くまとまるのでおすすめ。厚底ならより足が長く見えるスタイルアップ効果も。

今回のインナーには「homsue(ホムシュ)」プリーツ裾除け「ホムシュヘム」を使用。丈感は、今回は動きやすさを重視して、くるぶしがすっぽりと隠れるくらいの長さに。上前のつま先を少し上げておくとラインが美しく、着崩れ防止にもなります。
プリーツ裾除けは重心が下にきて、きれいなマーメイドラインができあがるので、足長効果だけでなく下半身がすっきりとまとまります。
お下がりやリサイクル品も多いウールの着物は長さが足りないことも。短くて着るのを諦めていた着物も、プリーツ裾除けを組み合わせれば活躍してくれます。

ほとんど屋外で1日を過ごす遊園地では、防寒対策も重要。今回のスタイルではとくに形を選ばないので、普段着ている洋服のコートでもOK。ノースリーブのダウンベストなどもマッチします。着物らしいスタイルに仕上げたいなら、袖を気にせずに羽織れるポンチョやケープ型のアウターが◎。
帯がフラットで引っかからないので、バッグも自由に選べます。両手が開くリュックや斜めがけバッグも便利だし、遊園地仕様にテンションをあげるぬいぐるみバックで遊び心を添えても。
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60年代のトレンドを現代風にアレンジ!
レトロかわいいヘアスタイルに
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ヘアメイクは、着物に合わせて1960年代をオマージュ。
1960年代は、後にマッシュルームヘアとして一大ブームとなる“ボリュームと丸みのあるボブ”がトレンドに。
そこで今回は、ゴムで結んだ毛先をくるりと内側にしまい込んでピン止めるショートボブスタイルに仕上げました。毛先を内側にしまい込むことでヘア全体が丸いシルエットになり、60年代風の雰囲気に。トップに逆毛を立てて少しボリュームを持たせることもポイントです。
伸ばしかけの髪や、ボブにしたいけど切りたくないという方もチャレンジしやすいスタイルは、最初に結んでいるので崩れる心配も少なく、アクティブなシーンで活躍します。

1960年代といえば、全体的に色味がなく目元が印象的なメイクがシンボル。今回はアクティブなコーデにもマッチするように、現代メイクのポイントを多めに加えてバランスのよいレトロミックスメイクに。
目元はきっちりと引いた黒のアイラインに着物に合わせた赤色のシャドウをプラス。チークとリップも同系色のカラーをしっかりめにオン。ベースもカラーもラメの入っていないマットな質感を選ぶことで、クラシカルな雰囲気はまとわせたままキュートな印象に仕上げました。
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まとめ
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今回ご紹介したのは、あくまでアクティブなコーディネートのヒント。例えば、ポイントをひとつ取り入れてみるだけでも、思った以上に動きやすくぐんと快適に。
自分なりに着心地の良さや楽ちんな着付けを覚えていくと、もっと自由に、もっとたくさんのシーンで着物が楽しめるようになります。
もうすぐ、季節は春。おでかけのシーズンがやってきます。
かた苦しく考えがちな着物のおでかけ。あの場所はちょっと無理かも……なんてアクティブなシーンでのおでかけを諦めたことのある人も、この機会にぜひチャレンジしてみては?
アクティブスタイルで「西武園ゆうえんち」を満喫してきました→
https://www.kimonoplus.com/columns/887/lang/ja-JP/8
西武園ゆうえんちの記事一覧はこちら→
https://www.kimonoplus.com/hashtag/548/ja-JP/2
▼キャスト・スタッフ
モデル:木村一葉(アソビシステム)
撮影:鈴木ジェニー
スタイリング、着付け:うさこま
ヘア&メイク:亀田春佳
文:君島有紀
▼衣装協力
うさぎ小町
https://usagikomachi.com/
▼撮影協力(ロケ地)
西武園ゆうえんち
https://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/index.html
※感染対策を施した上で撮影時のみマスクを外しています。