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リサイクル着物としても人気! 昭和中期・1960年代の着物の着こなし術

洋装が台頭し着物離れが加速する中でも、普段着としての着物にスポットが当たった1960年代。

現代では古着やデッドストック品としてもおなじみで、戦前の着物と区別するために「リサイクル着物」と呼ばれることも。お手頃価格のものも多く、初心者さんもトライしやすいのがこの時代の着物です。

今回は、着こなしのコツやメイクのポイントも合わせて「昭和中期の着物」についてご紹介します!

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気軽に楽しめるウール着物が流行!
レトロポップコーデを現代風に着こなす
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昭和35年から昭和45年にあたる1960年代は、戦後高度成長期の真只中。

それまでは着物も洋服もお仕立てが珍しくありませんでしたが、質の良い既製品を大量生産できる技術が進み、手の届く価格帯での選択肢がぐんと増えました。

戦中に我慢を強いられていた分、庶民もこぞって普段着からオシャレを楽しむように。着物も普段着に愛用する人がまだまだ多かったこの時代に、流行したのが日常的に楽しめるウールの着物です。

深いトーンの伝統文様から色彩豊かな図案まで、表現力の高いウールの着物はバリエーションも豊富で、夏以外の3シーズン着回せる上に価格もお手頃。

やわらかいのにハリがあるから着やすさも着ごこちも抜群。シワになりにくく自宅でも洗えるといったお手入れの楽な点からも支持されました。

今回のコーデは60年代ファッションを代表する色調のビタミンカラーを配色した昭和中期の着物を主役に、当時洋服で大流行したレトロポップなスタイルに挑戦♪

着物にインパクトがあるので、帯は柄と同色のチェック柄を選んで全体の印象を少し抑えめに。帯枕を使わずに結ぶ「銀座結び」で、普段着のラフ感と小粋さを演出しました。

1960年代は普段着に合わせて動きやすい、カジュアルな短い羽織が流行した時代。

羽織は柄や帯と同系色の淡い色味を選び、帯締めや草履の小物にも同じく淡い色を添えることで、ポップな着物も印象をやわらかく、大人っぽくまとめることができます。

幾何学的な雰囲気の中で、目を引き寄せる白いマーガレットの帯留めをアクセントに。60年代のレトロポップなスパイスとしても活躍しています。

洋装が台頭した昭和中期は日常的に着物を着る人も多くいた一方で、普段は洋装の人もハレの日や特別な日には着物でドレスアップすることが好まれた時代。

その影響もあり、戦前は無補正にゆるい衿合わせのゆったりとした着付けが好まれましたが、1960年代は普段着であっても着姿が美しいことが重視されるように。現代ほどではありませんが、比較的かっちりとした着付けへと変化していきました。

衿も細長く合わせ、半衿は基本的に白無地でごくごく細めに出したのがこの頃の流行ですが、リサイクル着物を今風に着こなすのなら、半衿はレトロ感のある柄ものを大きく出す着付けが◎。足元には現代物の高台の草履を合わせるとぐっと今っぽくなり、スタイルアップ効果も狙えます。

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アイコニックな60年代ヘアメイク
個性的だけど大人アンニュイな表情に
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ミニスカートを筆頭に、ヒッピーやモッズ、アイビールックなど現代でも愛されるアイコニックなスタイルがいくつも生まれた1960年代。着物シーンでも当時のファッションにリンクするヘアメイクが好まれました。

トップに高さを出したボブは、この時代を象徴するヘアスタイルのひとつ。当時は毛たぼなどを使ってさらに高くしましたが、現代風に楽しむのならふんわりとした高さに仕上げると好バランス。

外巻きのボブはトップにボリュームを出すことでエレガントなカーブを描き出し、大人な表情に。内側に逆毛を立ててトップとは対照的に、サイドは耳にかけてすっきりまとめると、トップのボリュームが引き立ちレトロなシルエットになります。

カラフルなコーデを引き立てるように、ほとんど色ものを使わないレトロシックな1960年代のメイク。ポイントは強く印象的な目元。

黒のアイラインにグレーと黒のアイシャドウを使ったモノトーンカラーのグラデーションアイメイクで、スモーキーアイと呼ばれる色っぽくアンニュイな眼差しに。黒マスカラを下まつげにもしっかりとオン。前髪をひと巻きして重ためにすることで、より目元を印象的に演出します。

あくまで主役は目元だから、リップは控えめなピンク系かベージュ系に。色味は着物の中にある一色と同系色にすると、統一感が出て洗練されたオシャレ顔に仕上がります。

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まとめ
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着物人口が今よりも多かった1960年代はウール着物のブームもあり、現代にも数多くの着物を残しています。リサイクルショップなどをはじめ、家族からのお下がりでも手にする機会が多いでしょう。

着物がつくられた時代の背景や当時の流行を知ると、コーディネートの新たなインスピレーションや、自分らしいスタイルをつくるヒントにもなります。ときめく着物に出会えたら、そんな視点でも楽しんでみてくださいね。

1960年代の着物で「西武園ゆうえんち」へおでかけしてきました→
https://www.kimonoplus.com/columns/867/lang/ja-JP/8

西武園ゆうえんちの記事一覧はこちら→
https://www.kimonoplus.com/hashtag/548/ja-JP/2

▼キャスト・スタッフ
モデル:木村一葉(アソビシステム)
撮影:鈴木ジェニー
スタイリング、着付け監修:うさこま
ヘア&メイク、着付け:亀田春佳
文:君島有紀

▼衣装協力
うさぎ小町
https://usagikomachi.com/

▼撮影協力(ロケ地)
西武園ゆうえんち
https://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/index.html
※感染対策を施した上で撮影時のみマスクを外しています。