【お茶会特集⑧】実際のお茶会の流れを体験しよう!
日本の伝統文化の1つ、「茶道」。
このお茶会特集では、茶道初心者さんに向けて、茶道やお茶会に関する知識・魅力をお届けしてきました。
ラストとなる今回は、実際にお茶会の流れを体験します。
それでは、スタートです!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まずは、待合で亭主に呼ばれるのを待ちます。

ワクワクした気持ちと少しの緊張が入り混じります・・・!
亭主の準備が整ったら、お茶室へと向かいます。
お茶室は神聖な場所。
入る前に、蹲踞(つくばい)で手や身を清めましょう。

身も心も清めたあとは、いよいよお茶室へ!
写真のように躙り口(にじりぐち)の戸を開けて、扇子を前に置き、入室します。

にじる(正座のまま少しずつ膝をつかって進む)ようにして入ることが名前の由来となっているこちら。
名前の通り、膝をつかって前に進むように入ります。
入室したら、草履を揃えて躙り口の外に立てかけます。
また、最後に入室する方は、躙り口の戸を音をたてて閉めます。
この音が、「全員入室しましたよ」という亭主への合図になります。
次に、床の間の掛け軸と花を拝見しましょう。

その際、扇子を膝の前に置いてお辞儀をします。
これは、掛け軸を書いた方を敬う心を表しています。
床の間に飾られた掛け軸やお花は、亭主がその日のお茶会に対する想いを込めて選んだものです。
招かれたお客は、その亭主のおもてなしに感謝し、掛け軸やお花の美しさを楽しみます。
全員の拝見が終わったら、正客から順に定位置に座ります。
亭主から『お菓子をどうぞ』と勧められますので、自分の番がきたら『頂戴します』と挨拶をし、次客に『お先に』と挨拶をします。
懐紙を出して、その上にお菓子を取り、菓子鉢を次客に渡します。

(※薄茶には干菓子と言われるお菓子が一般的ですが、今回は主菓子をいただきます。また、今回は懐紙を使用せずお皿でいただきます)
続いて、お茶をいただきます。
自身と上客の間にお茶碗を置き、上客に向けて『ご相伴(ごしょうばん)します』と挨拶をし、次に自身と次客との間にお茶碗を置き、次客に向けて『お先に頂戴します』と挨拶をします。
お茶碗を自身の正面に置き、亭主に『お点前頂戴いたします』と挨拶をします。
お茶碗をとり掌に載せ、右手を添えます。
お茶碗の正面をこちらに向けて出されますので、正面を相手に向けるように時計回りに45度ずつ2回まわして飲みます。

その際、最後の一口は音を立てて飲みきります。
これは、『飲み終えましたよ』ということを亭主に伝える意味があります。
飲み終わったらお茶碗の飲み口を指で拭き、指は懐紙で拭きます。
そして、茶碗の正面を自分の方に戻します。
お茶をいただいたあとは、お茶碗を拝見します。

この時、高価で大切な器を落とさないようにお茶碗は低い位置で持って拝見しましょう。
拝見し終わったら、お茶碗の正面を向こう側にして返却します。
最後に退室です。
お茶室から出る際も、躙り口を使います。
退室をしたら、外に立てかけておいた草履を履き、終了です。

以上が、一連の流れとなります。
難しそうに見えますが、心配はいりません!
分からないことがあっても、前の人の動きを見て同じようにすれば大丈夫です。
①入室する
②床の間の掛け軸や花を鑑賞する
③お菓子と抹茶をいただく
④茶碗を拝見する
⑤退室する
この一連の流れの中で、『相手や周りの人への心遣いと謙虚な姿勢』を忘れないようにすれば、自然と1つ1つの動作に表れます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お茶会特集、いかがだったでしょうか。
美しい魅力がいっぱい詰まった茶道は、日常に彩りを添えてくれます。
皆さんもぜひ、茶道を通して非日常の体験をしてみてくださいね!
お茶会特集トップはこちらから
https://www.kimonoplus.com/hashtag/434/ja-JP/2
撮影:岩嵜一真
撮影協力:茶瑠 BY 淡交社
着付け・モデル:猪尾雪乃
編集・文:キモノプラス編集部