文様図鑑 vol.17 熨斗(のし)
美しい自然を切り取った文様に、幸せを願う吉祥紋、時にはダジャレを効かせた洒落紋など、着物には数え切れないほどたくさんの文様を見つけることができます。
デザイン性の高さはもちろんのこと、その文様に込められた意味を知ると着物はもっと面白くなるはず!「文様図鑑」では毎回、着物や帯から素敵な文様を紹介します。
今回は御祝儀袋にも使われている「熨斗」です。

※写真は振袖の一部
熨斗は、もともと「のしあわび」のことで鮑の肉を薄く剥ぎ、引き伸ばして乾かしたものです。
江戸時代以降、延寿を象徴するものとして、贈り物や引き出物に添えられ、その名残でご祝儀袋にも使われていると言われています。
熨斗は吉祥文様として染織品し使われるようになり、現在でも振袖や帯など幅広く使用されています。

※写真は風呂敷の一部 束熨斗(たばねのし)
のしあわびに見立てたほそい帯状のものを数本まとめ中央で束ねたものを「束熨斗」といいます。たくさんの熨斗が束られることから多くの人たちから祝福を受けていること、人と人の繋がりを意味するなど、おめでたい時に使われる吉祥文様になります。なので、産着や振袖などで使われていることが多いです。