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《秋単衣でおでかけ》一生モノの「ふろしき」を探しに

まだまだ暑さの残る9月ですが、そろそろ単衣が気になるころ。秋気分を先取りしたコーディネートを楽しみたいですよね。今回は、最近再注目されている「ふろしき」を探しに、秋単衣で日本橋人形町へおでかけしてきました。

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その使い方無限大! エコでサステナブルなふろしき
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訪れたのは、人形町駅から歩いて2分の「東京唐草屋」。京都で明治34年創業の老舗ふろしきメーカー・宮井株式会社が運営するふろしき専門店です。

レジ袋の有料化などをきっかけに持ち歩く人が増えたエコバッグ。そこで、再注目を集めるのが日本の暮らしに長く根付いてきた元祖エコバッグ「ふろしき」です。

その歴史は古く、ふろしきという名前で庶民の間に広く定着したのは江戸時代のころ。それより1000年以上昔から、日本には”包むための布”がありました。

どんな形のものも自在に包めて、運ぶ、覆う、収納するなど多様な使い方ができるふろしきは、暮らしのさまざまな場面で活躍。エコでサステナブルなアイテムとして、今改めてその価値が見直されています。

「ふろしきなんて古臭い」というイメージをお持ちの方はぜひこの機会にアップデートを。店内へ一歩足を踏み入れれば、そんなイメージがきっと一掃されるはず。

店内には鮮やかで大胆なデザインのものから、ほっこりする愛らしいイラストのもの、日本の伝統美あふれる柄まで、色とりどりのふろしきが約800種類揃っています。

ふろしき選びはもちろん、お店では結び方や包み方のレクチャーもしているので使い方についても気軽に相談してみて。

色やデザインだけでなく、素材もバラエティ豊かなふろしき。綿や絹、ポリエステルをはじめ、最近ではデニム地のものまで登場しているんですよ。

着物に合わせるなら、しなやかな質感と光沢が上品な「絹」が一枚あると何かと重宝します。絹のふろしきは、中心価格帯が1万円から2万円と多少お値段は張りますが、きちんとお手入れすれば一生使うことができます。

最初の一枚なら「枡取(ますどり)ぼかし」(写真16,500円税込)は、おすすめなデザインのひとつ。四隅に異なる色が入り、表に出す色によって印象が変わるので、着物や季節に合わせて幅広く使えます。

お使い物の包みやおでかけ時のバッグにはもちろん、カバンに一枚忍ばせておくと何かと便利なふろしき。エコバッグとしてだけでなく、もしもの時にはひざかけや敷物、雨よけにもなります。専用のハンドルを使えば、さらにオシャレなバッグにも変身。

サイズにもよりますが、綿のふろしきなら1000円程度から手に入るので、着物や季節に合わせたコーディネートが手軽に楽しめるのも魅力です。

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クラシックモダンな秋単衣コーディネート
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最後に今回のコーディネートをご紹介しましょう。テーマはずばり「ふろしき映え」。柔らかい落ち感のある絹の単衣は墨流し模様。墨流しは水面に漂わせた墨汁や顔料を布に写し取る技法で染められる柄。波紋模様から水の流れを感じられ、涼やかで優雅な印象を与えます。

そこに丸文様と格子のアンティーク帯を合わせ、艶やかでモダンな雰囲気をプラス。帯揚げには竪絽(たてろ)の古布を活用し、涼感も添えました。
ヘアメイクは、帯のカラーに合わせた赤紫色のリップを中心に少し大人なイメージに。クラシカルになりすぎないように、アイメイクはコーラルオレンジをポイントにして愛らしさと現代らしさを加えました。

みなさんも秋の装いを楽しんでくださいね。

▼お店情報
東京唐草屋
東京都中央区日本橋人形町3丁目4番6号 宮井江戸ビル1階
TEL 03-3661-3938
http://www.karakusaya.co.jp/tokyo.html

▼STAFF
撮影:sono(bean)
スタイリング・着つけ:佐川由希
ヘア&メイク:亀田春佳
モデル:真仲ひかり(SHREW)
編集・文:君島有紀

▼衣装提供
おべべとにゃんこ
https://www.obenyan.com/