笑顔じゃない写真にも / プロが教える写真講座 #03
写真を撮ろうと思ったとき、ふと言ってしまう言葉ってなんでしょう?「笑って笑ってー!」って、無意識なくらいに言ってしまっているんじゃないでしょうか?そして「笑ってー」と言うと、こういう顔が撮れるんじゃないかと思います。

でも、よく考えてみてください。子供の表情ってたくさんあるんです。笑顔はそのなかのひとつなのに、写真といったら笑顔!笑わせなくっちゃ!と思い込んでしまっている人は、きっとたくさんいるはずです。

楽しくないときは笑わないし、真剣に何かに集中している顔も、疲れて泣いちゃった顔も、不安で誰かを頼りたい顔も、親からしたらすべてが愛おしいはず。経験上、そんなときには無理に作らせた笑顔の写真よりも、その子のその時のありのままを撮ってあげた方が、良い写真になります。

そもそも、スタジオにいるプロカメラマンには、その子の「よそいきの顔」しか撮ることができません。眠たい、疲れた、不機嫌、甘え、ぼーっとする顔だって、親にしか見せない表情ってたくさんあるはずなんです。そこに、その子「らしさ」はたくさん溢れていると思うんです。(それを引き出すのが、プロカメラマンの腕でもあるんですが。)

私は、息子が一生懸命な姿が大好きです。ぜひ、その子にしかない、あなたしか知らない表情をぜんぶ!写真におさめてあげてください。

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