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良い写真ってなんだろう? / プロが教える写真講座 #01

「良い写真」って、どんな写真のことだと思いますか?一眼レフで撮られた写真?背景がぼけている写真?フィルターがかかって今っぽい写真?おしゃれなフォトスタジオで撮られた写真?

はじめまして、homevideo company の剣持と申します。映像と写真を仕事にしながら、3歳の息子と海のある町に暮らしています。広告写真、ファッション誌、旅写真などの、撮影を仕事にする私は、常日頃から「良い写真の定義」を考え続けています。

そんな私にとって、自分の息子や・友人の家族を撮るときの「良い写真」の定義は、

「あとで見たときに、感情がたくさん呼び起こされる写真」

だと思っています。

これは花畑のある公園で、年賀状になる写真を撮りたくて彼にカメラを向かせた時にした、当時彼がハマっていた表情を、コンデジで撮ったものです。もっと大きなカメラで撮ったぼけのある写真や、満面の笑顔の写真もありましたが、これが私にとっては最高に「良い写真」でした。(笑)

背景のぼけ、フィルター、おしゃれな小物って、「非日常」をかんたんに作ってくれるから遊びとして楽しいんです。でも・・・5年後、10年後、20年後。子供の結婚式で見返すことを想像すると?一生に残る写真としてはどうでしょう?

それよりも、髪の毛の爆発。砂まみれ。眠くて仕方ない泣きべそ。その日の、その時期だけの「日常」が詰まった写真。良いカメラじゃなくて、スマホでいいんです。このほうが、20年後に見返したときに、自分の感情が動く気がしませんか?

写真を撮るためにおすましした良い顔よりも、カメラに気付かずなにかに集中している姿。髪の毛ばさばさなバックヤード、疲れて泣き出した顔、それを見守る人々の姿。そんな、「あとで見た時に、感情がたくさん呼び起こされる写真」を撮るコツを、友人家族の着物写真を題材に、数回に渡ってご紹介していこうと思います。お楽しみに!

子どもと同じ目線で / プロが教える写真講座 #02はこちらから⇩
https://www.kimonoplus.com/columns/342/lang/ja-JP/10

文・写真:剣持悠大(けんもちゆうた)
カメラマン、映像監督。homevideo company代表。
3歳の息子と海の近くに暮らし、写真を撮り合うことが日課。