《ゆかたでおでかけ④》京都の花街とアートのまちを巡る祇園&岡崎コース

今の季節にぴったりのおでかけコースを紹介する《ゆかたでおでかけ》シリーズ。
どこを歩いても絵になる風景が広がる京都は、思わず着物やゆかたでお出かけしたくなる町です。
第4回は、京都の代名詞ともいえる花街・祇園をスタートし、アートのまちとして人気の岡崎エリアまでをめぐります。
風情たっぷりの石畳や美しい町並みが続く祇園は、京都でゆかたを着るならぜひとも訪ねておきたい場所。白川に架かる一本橋を渡ったら、岡崎でのんびりアートスポット巡りを楽しみましょう。
【目次】
1.花街の人気スポット<白川南通り>は女優気分で歩きたい
2.ドキドキ! 柳が揺れる白川の<行者橋>を渡ってみよう
3.話題のアートスポット目白押し! ぶらり岡崎さんぽ
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【1. 花街の人気スポット<白川南通>は女優気分で歩きたい】

京都でゆかたに着替えたら、やっぱり出かけておきたいのは花街・祇園。石畳の道が続く趣ある町並みに、ゆかた姿もしっくり馴染みます。
まず訪れたのは、白川南通と四条通方面を結ぶ<巽橋(たつみばし)>。
白川に架かる小さな橋で、テレビCMや映画のロケ地としても有名なスポットです。このあたりは、重要伝統的建造物群保存地区になっているだけあって、本当にすてきな町並みが続きます。

橋の上からは白川の流れを眺めることができます。
ゆるやかな水の流れに癒されますね。
ちなみにこの白川には、しばしば鷺(さぎ)の姿を見つけることができます。タイミングよく出会えたらラッキーですね。

この辺りで一番フォトジェニックな場所といえば、この<白川南通(しらかわみなみどおり)>。
白川沿いに続く約200mの石畳の道で、朱色の玉垣がとても華やかですよね。ここを歩けば、お気に入りのゆかたもさらに映える気がします。
この白川南通は、桜の名所としても有名なスポット。春には美しい桜を楽しむことができますが、ゆかたシーズンは眩しい緑が見どころです。玉垣の朱色と木々の緑のコントラストもすてきですよね。

白川南通の一角にある<辰巳大明神(たつみだいみょうじん)>もお参りしておきましょう。
こちらは芸事上達にご利益があるという神社で、花街の芸妓さんや舞妓さんもお参りするのだそうです。私もご利益があるといいな。
◆◇◆ゆかたワンポイント◆◇◆
ゆかたできれいに歩くにはどうすればいい?

背筋をしっかり伸ばして姿勢を良くして、洋服の時よりも歩幅は小さめで歩きましょう。また、手はあまり降らずに、両手でバッグなどを持って歩くとおしとやかに見えますよ。
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辰巳橋/白川南通/辰巳大明神
●住所:京都市東山区祇園
●アクセス:京阪本線 祇園四条駅から徒歩2分
●時間・休み:散策自由
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【2. ドキドキ! 柳が揺れる白川の<行者橋>を渡ってみよう】

情緒あふれる祇園の町並みを満喫したあとは、白川に沿って町をお散歩。10分ほど歩いた場所にあるのが、この<一本橋(いっぽんばし)>。
人が一人通るのがやっと、というぐらいの細い石橋で、こちらも映画やドラマにしばしば登場しています。
その見た目通りの名前の一本橋ですが、かつて、比叡山延暦寺で修行を終えた行者が通ったことから、「行者橋(ぎょうじゃばし)」とも呼ばれているそうです。
川沿いには柳の木が続き、ゆかたの季節は青々とした柳の葉が彩りを添えます。鮮やかな緑にゆかたも映えますね。

いまや、観光スポットでもある一本橋ですが、地元の人にとってはなくてはならない大切な橋。ここを渡って通学・通勤する人も多く、なかには自転車で渡る人もいます。
自転車で渡る勇気はありませんが、ぜひ歩いて渡ってみましょう。目の前まで来ると、想像以上に細いので驚くかもしれません。反対側から渡ってくる人がいないか確認して、譲り合いながら渡りましょう。
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一本橋(行者橋)
●住所:京都市東山区梅宮町~堤町
●アクセス:京都市バス停祇園から徒歩5分
●時間・休み:散策自由
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【3. 話題のアートスポット目白押し! ぷらり岡崎さんぽ】

岡崎エリアにやってきました。
岡崎のシンボルといえば、平安神宮の大鳥居。高さ24m、幅18mの大鳥居は、近くに行くとその迫力に驚きます。もちろん京都一の大きさです。
岡崎は、多彩なアートスポットが集まるエリア。個性あふれる美術館や図書館が点在しています。ゆかたシーズンの京都は暑い日も多いので、涼しい館内でゆっくり美術鑑賞や読書を楽しむのもおすすめです。

それではいくつか、岡崎のアートスポットを巡ってみましょう。ひとつめは、大鳥居の西側にある<京都国立近代美術館>。洗練されたモダンな建物は建築家 槇文彦氏による設計で、正面のデザインは京都の碁盤の目をモチーフにしているそうです。
近・現代美術を中心に、国内外の絵画や写真など約1万3000点を収蔵。さまざまな企画展と連動して、常設のコレクション・ギャラリーも年5~6回入れ替わります。

こちらの美術館を訪ねたら、ぜひ4階の休憩コーナーに行ってみてください。大きな窓の向こうに、大鳥居がドーンと間近に立っています。なかなか見ることができない光景なので、チェックしてみてください。

京都国立近代美術館の北には、クラシカルな建物の<京都府立図書館>があります。
こちらは、日本初の公立図書館である京都集書院を前身とする図書館。この場所に開館したのは明治42年(1909)です。
建物を設計したのは有名な建築家の武田五一。かつてはレンガ造りの3階建ての建物で、美術館としても使われていたそうです。阪神・淡路大震災で被害を受け、建物は新築されましたが、ファサードだけは武田五一が設計したものが残されています。
本の貸出は京都府やその隣接府県の在住者であることなど、決まりがありますが、資料は誰でも閲覧できるので、気軽に立ち寄ってみてくださいね。

撮影:来田猛
最後は、2020年にリニューアルしたばかりの<京都市京セラ美術館>。
昭和8年(1933)に創建された、京都のアートの拠点というべき存在で、岡崎エリアに来たらここは外せません。リニューアルにともなって、歴史ある建物はそのままに、玄関には新たなファサード「ガラス・リボン」が登場。

撮影:来田猛
また、非公開だった本館内2カ所の中庭のうち、北側の中庭にはガラス屋根とバルコニーが設けられ、「光の広間」として生まれ変わりました。多彩な展示はもちろんのこと、建築の美しさも注目を集めています。施設全体が広く、カフェやショップもとても魅力的なので、ぜひ時間に余裕をもって訪れてください。
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京都国立近代美術館
●住所:京都市左京区岡崎円勝寺町
●アクセス:市バス停岡崎公園 美術館・平安神宮前からすぐ
●電話:075-761-4111
●時間:9時30分~16時30分最終受付(金・土曜は19時30分)
●休み:月曜(祝日の場合は翌日)
●料金:展示内容により異なる
●HP:https://www.momak.go.jp/
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京都府立図書館
●住所:京都市左京区岡崎成勝寺町
●アクセス:市バス停岡崎公園 美術館・平安神宮からすぐ
●電話:075-762-4655
●時間:9時30分~19時(土日祝は~17時)
●休み:月曜(祝日の場合は翌平日)、毎月第4木曜日(祝日は開館)、
年末年始(12月28日~1月4日)、特別整理期間
●料金:入館無料
●HP:https://www.library.pref.kyoto.jp/
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京都市京セラ美術館
●住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124
●アクセス:市バス停岡崎公園 美術館・平安神宮前からすぐ
●電話:075-771-4334
●時間:10~18時(展覧会への入場は17時30分まで)
●休み:月曜(祝日の場合は開館)
●料金:展示内容により異なる
●HP:https://kyotocity-kyocera.museum/
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風情たっぷりの花街・祇園から、アートスポットが集まる岡崎まで、ゆかたでお出かけを楽しみました。
石畳が続く<白川南通>も、白川に架かる細い<一本橋>も、ゆかたがよく似合う人気のスポット。京都らしさ満点のフォトジェニックな写真を撮影しながら、お散歩を楽しみたいですね。
また、個性豊かなアートスポットが点在する岡崎も、のんびり散策するのにぴったりのエリアです。作品はもちろん、建物もすてきな美術館や図書館は、ゆかたがよく似合いますよ。
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[衣装協力]

夢京都 高台寺店
豊富な品揃えが自慢のレンタル着物店。
着物選びから着付けまで、経験豊富なスタッフが丁寧に対応してくれるので、気軽に着物や浴衣を楽しめる。ヘアセットも専門のスタイリストが着物に似合うスタイルにしてくれるので安心。
●住所:京都市東山区桝屋町362-5 ますや 2F
●アクセス:京都市バス停東山安井から徒歩3分
●電話:075-561-9410
●時間:9~18時
●休み:無休
●料金:レンタル着物プラン 3,190円~
●HP:https://yumekyoto-kimono.com/
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※データは2021年6月時点での情報です。
掲載している料金は原則として税込み価格です。
最新の情報は各スポットにお問合せください。
撮影:ハリー中西
モデル:地蔵笑花(gram)
着付け:出口嘉津子(夢京都)
編集・文:武尾香菜(エディットプラス)