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文様図鑑 vol.9 桔梗(ききょう)

美しい自然を切り取った文様に、幸せを願う吉祥紋、時にはダジャレを効かせた洒落紋など、着物には数え切れないほどたくさんの文様を見つけることができます。
デザイン性の高さはもちろんのこと、その文様に込められた意味を知ると着物はもっと面白くなるはず!「文様図鑑」では毎回、着物や帯から素敵な文様を紹介します。
今回は永遠の愛が花言葉の「桔梗」です。

※写真は浴衣の一部

桔梗は日本でも昔から愛されてきた歴史のある花です。
秋の七草の1つでもある桔梗は秋を代表する花で万葉集にも登場します。
また、戦国時代にも明智光秀や加藤清正など有名な武将も家紋として桔梗紋を使っていました。桔梗の名前は薬用になる根が硬いという意味合いから付けられ、後に音読みされて「キチコウ(キチカウ)」となり、現代のようなキキョウになったという説や、「更に吉」という語呂に縁起をかついだという説もあります。

※写真は夏着物の一部

江戸時代中期の有名絵師・尾形光琳が好んで作品に描いたことでも知られています。
桔梗は紫の花のいろが美しいため単独でも用いられます。
図案化したものや写実的なものが多く、見ごろは6月下旬ぐらいから8月下旬なので、夏の着物、帯、浴衣に使われることが大半です。