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文様図鑑 vol.5松

美しい自然を切り取った文様に、幸せを願う吉祥紋、時にはダジャレを効かせた洒落紋など、着物には数え切れないほどたくさんの文様を見つけることができます。
デザイン性の高さはもちろんのこと、その文様に込められた意味を知ると着物はもっと面白くなるはず!「文様図鑑」では毎回、着物や帯から素敵な文様を紹介します。今回は縁起の良い紋様として古くから愛されてきた「松」文様です。

※写真は訪問着の一部

着物に限らず古くから日本人にとって身近だった松紋様。松全体を写実的に描いたものから写真のように意匠化されたもの、また松葉だけを意匠化した松葉紋などその表現のバリエーションも多岐にわたります。

門松に見られるように神様の依代(よりしろ)とも考えられていた神聖な松は、一年を通して緑であることから不老不死や長寿の象徴ともされていました。

※写真は袋帯の一部。「松竹梅」(しょうちくばい)で描かれた縁起の良い紋様です。

縁起の良い紋様の代表格「松竹梅」。礼装の着物や帯などに多く用いられる紋様です。
常緑樹で1年を通して美しい緑を保ち、樹齢も長い「松」は長寿の象徴、まっすぐに伸び成長も早い「竹」は子孫繁栄の象徴、冬一番に花を咲かせる「梅」は生命力の象徴です。古来中国では「歳寒三友」とセットで描かれることの多かった「松竹梅」は、日本では縁起物の象徴として今も昔と変わらず愛されています。