柄オン柄が楽しい!アンティーク着物の着こなし術

個性的な色柄モノも多く、人とカブらないコーディネートが楽しめる「アンティーク着物」。着物をはじめるきっかけになったという人や、その魅力にどっぷりとハマる人も多いのでは?
今回は着こなしのコツやメイクのポイントも合わせて、「アンティーク着物」についてご紹介します!
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アンティーク着物とは?
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「アンティーク着物」とは、明治から大正、昭和初期にかけて作られた着物のこと。
西洋の文化が日々の暮らしへと徐々に浸透していった時代。女性の社会進出がはじまり、それまで家の中にいた女性に外出の機会が増え、オシャレが広く楽しまれるようになりました。
また、化学染料の登場でハッキリと鮮やかな発色も可能に。
それまで主流だった控えめでやわらかな色合いの草木染めとは対照的に、当時のアクティブな女性を象徴するような派手な色味が大流行。
柄も西洋文化の影響を受け、古典柄を鮮やかに描いたものや和と洋を融合させたダイナミックなものが人気を集めました。
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柄モノに柄モノを重ねるコーディネート
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現代ではなかなか見られない枠にとらわれない魅力的な着物が数多く作られたことから、着物文化の黄金期とも呼ばれたその時代。
コーディネートも柄モノに柄モノを重ね、個性を競うような組み合わせが楽しまれました。
同じトーンにそろえるのが現代コーディネートの主流ですが、あえて反対色を合わせて思い切った色のコントラストを楽しむのがアンティーク着物の醍醐味。
今回はクリアな水色の銘仙を主役に、反対色の黄色がベースの百合の刺繍帯をのコーディネート。
絹物の中では比較的に手に入れやすかった銘仙は、当時を代表する着物のひとつ。同じ時代のものを選ぶと、個性的な柄モノ同士を合わせても不思議と落ち着いた印象になります。
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半衿も大胆にたっぷりと魅せる
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柄を重ねるのは半衿も例外ではありません。
着物や帯と比べて手軽で、顔まわりにあるので印象を大きく左右する半衿はオシャレの見せどころでもありました。
半衿をたっぷりと見せるアンティーク着物独特の着こなしは、衣装にかけるお金の大半は半衿に費やしたという当時の風潮も表しています。
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ポイントヘアメイクで完成度アップ
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アンティークコーデを着こなすなら、ヘアメイクにもぜひこだわって。
ヘアはボブ以上の長さがあるなら、1920年代にトレンドとなったフィンガーウェーブをイメージしたまとめ髪はいかが?
それまで耳を隠す髪型は日本になく、ヨーロッパから影響を受けた「耳隠し」は頭を小さく見せて和装にも洋装にも合うことから当時大ヒットしました。
メイクは、いつものメイクに赤いリップを加えるだけでもキリッとした表情に。レトロクラシックなアンティークスタイルが完成します。
▼STAFF
撮影:鈴木ジェニー
ヘア&メイク:亀田春佳
スタイリング、着つけ:大川枝里子
モデル:杉田友里(シグマ・セブンフェイス)
編集・文:君島有紀