[着物でお出かけ] 平和への祈りと出会った、 日本の版画1200年の歴史を辿る時間

先日、町田市立国際版画美術館で開催中の「日本の版画1200年ー受けとめ、交わり、生まれ出るー」展を訪れました。

仏教版画から現代版画まで約240点が展示され、日本の版画と世界の繋がり、文化交流の歴史を辿りました。

<法隆寺百万塔・無垢浄光大陀羅尼経>
日本最古の印刷物(版画)「無垢浄光大陀羅尼経」は、「法隆寺百万塔」に納められていました。称徳天皇が戦の犠牲者を弔い、国家の安寧を祈った1200年以上前のもの。平和への祈りから始まった日本の版画の歴史に触れ、心が温かくなりました。

<融通念仏縁起絵巻>
数々の展示の中で、特に心惹かれたのが「融通念仏縁起絵巻」でした。まるで神々の組織図のようで、漢字を手がかりに神様の役割を想像するのが面白く、時間を忘れて見入ってしまいます。中でも月曜日の神様の、どこか楽しげな雰囲気に好感を持ちました♡

<海錯図>
およそ250年前に描かれた「エイ」。への字に結ばれた口元の物悲しげな表情に、不思議な愛らしさを感じます。

<相州大山ろうべんの瀧>
鮮やかな色彩は、ドイツのベルリンで発見されたベロ藍、幕末期に輸入され浮世絵の表現力を飛躍的に向上させたことを知りました。

観賞後は喫茶室で、1200年の歴史の余韻とともにおやつを楽しみました。
海外から多様な文化を受け入れ、独自の美意識と融合させ、新たな価値を生み出してきた日本の版画の歴史。その「日本らしさ」に触れる今回の体験を通して、私もまた、変化を恐れず、柔軟な心と豊かな創造力を持って生きていきたいと感じた時間でした。
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「日本の版画1200年―受けとめ、交わり、生まれ出る」
開催期間2025.3.20(木)~2025.6.15(日)
https://hanga-museum.jp/exhibition/index/2025-564
町田市立国際版画美術館
東京都町田市原町田4-28-1
小田急線「町田駅」から徒歩15分