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[着物でお出かけ] 現存最古の大礼服「受け継がれし明治のドレス」展へ

今回は、明治神宮ミュージアムで開催中の「受け継がれし明治のドレス」展へ。
昭憲皇太后のお召し物を拝見しにお出かけしました。

宮中へ洋装が導入される前の装束(十二単など)も併せて展示されています。お目当ては、130年前に作られた現存最古の大礼服(宮中で最も格の高い女子の礼服)。
国内外の服飾研究者と補修専門家が協力して「大礼服修復プロジェクト」が発足、2018年から5年をかけて修復作業が行われました。

修復とともにドレスの成り立ちも紐解かれ、西欧の標準的な仕立てとは異なっていたこと、刺繍の補強の和紙に日本語が書かれていたことから、仕立ても刺繍も日本製の可能性が高いと判明したそうです。明治20年代前半に当時の日本の職人が、西欧と遜色ないドレスの縫製技術を修得していたことに驚きました。

修復過程を勉強しながら、最古の大礼服の実物を拝見できるのはとても貴重な機会で、本当に素敵なドレスでした。※画像パンフレットよりお借りしました

「婦女服制のことに付て 皇后陛下思食書」(上記画像の下段)によると、洋装を導入するにあたって最も注意することは、なるべく国産品を使用することだったそうです。

洋装の導入は、装いの近代化だけが目的でなく、生地や装飾にいたるまで国産品を使うことで、製産業や縫製業の発展までを目的としていたことを知りました。

現代において、生地や縫製がほとんど外国産になっている状況が、ハッと心に刺さります。本殿へのお参りもお忘れなく。

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「受け継がれし明治のドレス」
開催期間
前期:2024.4.6(土)~2024.5.6(月)
後期:2024.5.25(土)~2024.6.30(日)

明治神宮ミュージアム
東京都渋谷区代々木神園町1-1
JR「原宿駅」西口から徒歩5分