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帯一本着物3枚

自身はあまのじゃくだと思っているので,着物1枚帯3本なら,帯1本と着物3枚できるはず.さて,そんな万能な帯は存在するの?というお話です.

無彩色の帯にすればいいのでは?というのは正解で,白や黒の帯を持っていたら大体のものに合うでしょう.でも,それならふつう誰にも考え付きます.そこで私は,有彩色(色みがある)で考える方法をお伝えします.

例 私のこの緑系の帯ならどうするの?緑ですが,薄い紫のグラデーションになっています.
(1)緑の補色配色(対照配色にする) この場合,この緑の帯を,色相環上では10~14の緑から青緑と考えます.つまり,22(紫)~2(赤)あたりに色は合うはず.薄い紫と合わせました.着物:辻が花(薄紫)
 帯:緑~紫
 半襟:菜の花(黄色)
 帯揚げ:黄色から緑のぼかし
 帯締め:紫

(2)補色配色の王道 緑と赤
 赤に白を混ぜるとピンクになります.これは間違いなく思いつきやすいコーディネートになります.着物:相良刺繍(ピンク)
 帯:同じ
 帯揚げ:琉球紅型 多色づかい
 帯締め:多色使い(3)これは,補色配色をちょっとずらした分裂配色という考え方
 本来緑の反対色は赤なのですが,その赤をオレンジ寄りにしています.これも調和していますね.この激しい組み合わせは本来絶対しないのですが,実は札幌にあるテレビ塔内でカジュアル着物あり,何でもありの着物パーティーがあり,テレビ父さんをモチーフにこの組み合わせにして笑いを取ろうという策でした.着物:スワトウ刺繍(オレンジ)
 帯:同じ
 半襟:雪の結晶(金色)
 帯揚げ:多色遣いの琉球紅型
 帯締め:薄いブルー

 まとめ:着物の配色を考えるのは,感性で全然かまわないと思います.ただ,配色の理論をお伝えすると,ちょっと色の組み合わせを考えるのが苦手という方が正解を導き出せるのです.