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覚えておきたい自分の着物寸法

自分にちょうど良い着物のサイズ、知っていますか?自分サイズの着物は綺麗な着姿への近道です。裄(ゆき)や身丈(みたけ)など押さえておきたいポイントを確認しましょう。

着物のサイズを見る時に覚えておきたいのはこの4箇所。
・身丈
・身幅(前幅と後幅の合計)
・裄(肩幅と袖幅の合計)
・袖丈

反物からお誂えする場合は採寸してより多くのサイズを割り出しますが、既製品やリサイクルなど、仕立て上がりの着物を買う場合はこの4箇所のサイズをまずはチェックしてみましょう。

◎身丈(みたけ)

女性はおはしょりをとって着付けをするので、自分の身長を基準にプラスマイナス5cm以内の身丈なら着付けしやすいサイズです。例えば160cmの身長なら155cm〜165cmくらいが目安です。

着物を羽織ってみて、床に20cm以上あまりが出るようなら身丈の長さは十分です。身丈が短いと、おはしょりを作ることができません。一方自分の身長に対して身丈が長すぎると、布が余ってしまい着付けしづらく、着崩れの原因にもなります。

※「身丈」は背中心を測る場合と脇の縫い線を測る場合とがあります。ここでは背中心を測る場合でのサイズの目安を紹介しています。

◎身幅(みはば)

前幅と後幅を合わせて、身幅と言います。身幅は広い分には着付けでカバーできますが、狭いと歩いている時や座っている時にはだけてしまいます。

後姿を見た時に、上半身では背中心(背中の縫い目)が体の真ん中にくるのが正しい位置ですが、下半身では身幅が広いと背中心が体の右側にずれ、逆に身幅が狭いと背中心が左側にずれます。

写真では背中心が右側にずれているので、身幅のサイズが多少大きいですが着用可能範囲。(背中心が右に10cm以上ずれる場合は大きすぎるので着付けがしずらくなってしまいます。)もし背中心が体の左側にずれてしまうようなら、身幅のサイズが小さすぎるので、着用はやめておきましょう。

◎裄(ゆき)

肩幅と袖幅を合わせて裄(ゆき)と言います。サイズを測る時は、写真のように腕を斜め45度に伸ばし、背中心(背骨)から肩を通って手首までの長さを図ります。好みもありますが、礼装なら少し長めに、普段着の着物や浴衣なら少し短めにするのが一般的です。

着物の下には長襦袢を着ますが、長襦袢の裄のサイズと着物の裄のサイズが合っていないと着物の袖から長襦袢の袖が飛び出してしまいます。着物を購入する時は、長襦袢のサイズも確認しておきましょう。

◎袖丈(そでたけ)

袖丈は現代では49cm(1尺3寸)が一般的なサイズですが、もともとは身長や好みに合わせて自分のサイズで仕立てていました。裄同様に、長襦袢の袖丈と着物の袖丈が合っていないと着物の袖から長襦袢の袖が飛び出てしまいます。ヴィンテージなど古い着物を買う時は、袖丈にも注意しましょう。

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体型や着付けのくせによっても着やすいサイズは変わってきます。もし着付けしやすいサイズの着物を持っているなら、その着物のサイズを測って基準にするのがオススメです。

※着物のサイズは最近ではcm表記が増えましたが、もともと「尺・寸・分」という単位の鯨尺が使われていました。1尺=38cm

イラスト:山田藍子
モデル:亀田春佳